モルドバで栽培されている葡萄品種は、西ヨーロッパの品種、コーカサス地方の品種、およびモルドバ固有品種が含まれます。132,000ヘクタールの葡萄畑のうち、70%がコードル地域で栽培される白葡萄(Rkatsiteli、Sauvignon Blanc、Chardonnay、Aligoteなど)、30%が南部地域で多く栽培される黒葡萄(Cabernet Sauvignon、Merlot、Pinot Noir、Saperaviなど)であり、現在はその全体の約5%を固有品種が占めています。
モルドバ固有(土着)のブドウ品種
Feteasca Alba
フェテャスカ・アルバ
モルドバ共和国原産のぶどうで、栽培面積は国内1位。「白い乙女」という意味を持ちます。国内ではスパークリングワインの製造によく使われる品種です。白ワインはややライトな飲み口で、親しみやすい味わいに仕上がります。
モルドバの白ワイン用ブドウを代表する品種。レモンやグレープフルーツなどの柑橘系の香りと、スッキリとした爽やかな酸が印象的なワインに仕上がります。さっぱりとしたフレンチドレッシングをかけたシーフードサラダや白身魚のグリルなど、素材を生かしたお料理との相性が良いです。
Feteasca Regala
フェテャスカ・レガーラ
栽培面積は国内3位。「高貴な乙女」の意味を持ち、白ぶどうにしては珍しくしっかりしたタンニンが感じられ、樽での熟成にも向いています。フェテアスカ・アルバと比べるとふくよかでリッチな味わいに仕上がることが多い品種です。
「高貴な乙女」を表すこの品種から作られたこのワインの香りは、アンズや青リンゴ、洋梨などのフルーツの甘い香りが漂い、味わいはキラキラとした綺麗な酸味が口いっぱいに広がります。
キノコを使ったクリームパスタやエビのグラタン、鶏肉のグリルなど味付けのしっかりしたお料理との相性が良いワインに仕上がります。
Viorica
ヴィオリカ
1969年に、キシナウ国立研究場でセイベルとアレアティコ(イタリアの黒葡萄)の交配により生まれた品種。特にアレティコの性格を継承しています。病気と低温に強い品種として、モルドバ共和国で開発されたぶどう品種です。ヴィオリカはモルドバでは多くの女性に付けられている名前としても知られています。マスカットやライチのようなアロマティックな香りが特徴です。ヴィオリカから作られるワインは、麦わら色に緑色の反射があります。マスカット品種特有の強烈なアロマ、アカシアの花、ジャスミンの花、リンデンの花などの白い花の香りが特徴です。柑橘類、ライチ、若いリンゴ、砂糖漬けのアプリコット、タイム、バジル、などのドライハーブのタッチも感じることができます。マスカットやライチ・洋梨などの甘い香りが感じられ、その名の通りとてもチャーミングな香りに包まれれるワインに仕上がります。味わいも穏やかな酸味が広がり、後味に仄かな苦味が残ります。
Alb de Onițcani
アルブ・デェ・オニツカニ
アルブ・デェ・オニツカニはガガウズ語で「ガチョウの足」(葉がガチョウの足に似ている)という意味と、「トップカラ」(黒い大地)という2つの意味を持っています。アルブ・デェ・オニツカニは1960年代にモルドバの葡萄研究者によって開発されたのですが、この葡萄品種は長い間、人々に忘れらていましたが、ノヴァク・ワイナリーによって忘れらていた数本の木が発見され見事に復元に成功しました。以来、このユニークな葡萄品種はワイナリーのトレードマークとなり、国際コンクールで数々の栄誉ある賞を獲得しています。このブドウの葉の形が「ガチョウの足ひれ」に似ていることからその名前が付けられたこの品種は、クチナシの花のような繊細な甘い香りや、フレッシュなマスカット・青リンゴのような爽やかな香りも感じられるワインになります。味わいは野性味のある力強い酸味とまろやかな苦味とのバランスも良く、焼き魚や鶏肉のグリルなどの少し苦味のある食材との相性が良いワインに仕上がります。
Alb de Suruceni
アルブ・デェ・スルチェニ
アルブ・デェ・スルチェニは、モルドバ共和国固有の白ブドウ品種で、特に高品質のスパークリングワインの生産に高く評価されています。このブドウ品種は、生食用とワイン醸造の両方に使用され、モルドバ共和国原産です。モルドバブドウ栽培醸造研究所によって開発されたこの品種は、繊細なアロマ、バランスの取れた酸味、そして二次発酵への良好な適応性を兼ね備えており、モルドバ産スパークリングワインの基盤となっています。
麦わら色に緑がかった黄色(若いうち)、麦わら色(熟成後)。
香りは柑橘類(レモン、ライム)、アカシアの花、青リンゴ、ブリオッシュ、酵母(スパークリングワイン)の特徴です。
味わいは辛口でフレッシュ、生き生きとした酸味と上品なミネラル感がバランスよく調和しています。
Floricica
フロリチカ
「花」を表すこの品種から造られたワインは、クチナシの花やパイナップルやマンゴーなどのトロピカルフルーツの香りも感じられます。ミネラルによる仄かな苦味が感じられ、日本の甲州ワインにも似た風味があります。野菜たっぷりのグリーンサラダやチェダーチーズ、ドライフルーツの入ったパウンドケーキなど、幅広く合わせることが出来るワインになります。
Legenda
レゲンダ
「伝説」を表すこの品種から造られた白ワイン。マスカットや青リンゴ、そしてレモンなど、とても爽やかな香りです。味わいは、力強いながらも優しい酸味が口に広がり、後味に残る仄かな苦味が全体の味を引き締めています。
初夏の風物詩、アスパラのグリルやバター炒め、旬の野菜にラクレットチーズをかけたお料理などに相性抜群なワインになります。
Rară Neagră
ララ・ネアグラ
ダキア人により栽培されてきた、歴史的に大変古いルーツを持つ品種と言われています。
モルドバでのララ・ネアグラの畑の面積は、土着品種の品種の中では4番目の広さで約230ha程。1950年以来、ルーマニアでは べべアスカ・ニャグラ、モルドバではララ・ニャグラという名前で呼ばれています。
ララ・ネアグラの葡萄から得られるワインは、軽くて上質なタンニンに、ローズヒップの花、赤スグリ、野生のブラックベリーのアロマがあり抽出性が低くなっています。また酸味がやや強いため、味と香りが独特のロゼや、赤のスパークリングワインを生産するのにも適しています。ワインはフレッシュで柔らかく、果実味豊かな味わいが特徴です。時間の経過とともにドライフルーツやバニラの香りが現れます。
Fetească Neagră
フェテャスカ・ネアグラ
「黒い乙女」という意味を持つフェテャスカ・ネアグラは2千年以上の歴史を持つ古代種で、モルドバ南西に位置するプルト川の谷間に由来すると言われています。
フェテャスカ・ネアグラからは特別なロゼと赤ワインの両方を作ることができます。高品質の樽で熟成された後に瓶内で熟成され、顕著な典型性を備えた素晴らしいワインになります。作られたワインには、ベリー、チェリー、プルーン、ブラックレーズンのアロマに、わずかなスパイスの香り、シナモン、ブラックペッパー、コーン、オールスパイスやバニラを彷彿とさせるアロマがあり、厚みのあるタンニンが特徴です。年を重ねるごとにより豊かでより繊細になり、熟成に向いた品種と言えます。
Copceac
コプチャク
「コプチャク」辛口赤ワインは、ララ・ネアグラによく似たモルドバ産の赤ブドウ品種「コプチャク」から造られています。紫がかったルビー色をしています。野生のベリー類の複雑な香りに、ブラックチェリー、スミレ、白胡椒の繊細なニュアンスが加わります。バランスの取れた味わいで、生き生きとした酸味と、サワーチェリーや熟したチェリーの心地よいニュアンスが感じられます。